審査、年齢制限ナシ!「バンドルカード」のしくみと展望、教えます

既存カードとは違う「2つのポイント」
Digital Shift Times プロフィール

チャージした金額と、それによって変動する手数料を期日までに支払う必要があり、カンムはここから収益を上げています。発行自体も手軽にできることから、「現金がないけど“今すぐ”欲しいものがある」というニーズに対応することができるのです。

ところで、日本の決済手段別の市場規模をまとめると、利用金額が5000円未満かつ現金で決済している金額は約90兆円にのぼるとされています。

この市場が、支払い手段の多様化により、現金からスマホ決済に取って代わられる可能性があるのです。多くの企業が目をつけている市場ですが、バンドルカードも、独自サービスでこの市場を狙っていると考えられます。

“ならでは”のユーザー層とビジネスモデル

バンドルカードのポイントは、「ユーザー層」と「ビジネスモデル」です。

ポイント1:「ユーザー層」

バンドルカードは、本人認証が厳しくないため、従来のクレジットカードが取り逃がしていた層をユーザーとして獲得しています。たとえば、クレジットカードの審査に通らなかった人や、クレジットカードよりも低い決済手数料に注目した人などです。

また、ユーザーの利用金額にも特徴があります。バンドルカードの「ポチッとチャージ」の利用金額は3000円からで、最大5万円です。今までの代表的な借り入れ方式にカードローンがありますが、カードローンの利用金額はおおよそが数十万円単位から。

この点からも、カードローンの顧客とは異なる層がバンドルカードを利用していると考えられます。クレジットカードともカードローンとも一線を画しているサービスといえます。

ポイント2:「ビジネスモデル」

バンドルカードは、スマホアプリを活用することで、発行までの早さと手軽さを最大化し、低コストかつ大量発行を可能としています。そして、リアルカードを発行する時や、ユーザーが後払いを利用した時などに得られる手数料を収益源としています。

バンドルカードの後払いは、必ず借りた翌月末までに返さなければなりません。カードローンのように後払いを繰り返すことができないのです。このため、運営企業としては、カードローンよりも資金を回転させやすいというメリットがあります。

 

2019年5月にカンム初となるテレビCMを開始したことからも、1アカウントあたりの収益はコストを超えたと推測でき、このビジネスモデルが確立されたことをうかがわせます。

短期資金のローン市場の可能性

バンドルカードは3000円から5万円という、今まで現金で決済していた金額帯での貸金を手軽に行えるようにすることで、従来のカードローンなどでは獲得できていなかった層を取り込むことが可能です。

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」のツケ払いもそうですが、Z世代の消費行動に対応した金融サービスは、今後増えていくでしょう。スマホ決済が普及するとともに、こうした短期資金のローン市場がどれほど拡大するのか注目です。

この記事を書いた人:
石原 靖士(Yasushi Ishihara)
 株式会社オプト 執行役員 株式会社オプトホールディング 執行役員

ソフトバンクIDC(現IDCフロンティア)にてネットワークエンジニアとして従事。2006年にオプト(現オプトホールディング)入社。2010年にデジミホ(旧オプトグループ)取締役に就任。2015年にオプト執行役員に就任し、テクノロジー開発・オペレーション・クリエイティブ領域を管掌。2019年からは事業開発領域を管掌。2019年4月よりオプトグループ執行役員を兼務しデジタルシフト変革領域管掌。