プロ野球選手を丸裸に…仕事人「スコアラー」の知られざる伝説

わずかな癖も見逃すな!
週刊現代 プロフィール

今中の癖を見つけた!

打者をチェックするときは、好不調の波を見つけようと、すべての動作に眼を光らせました。

ネクストバッターズサークルでの素振りも、大切な観察対象です。大抵のバッターは狙っている球を想定して素振りをしているので、どこのコースに狙いを定めているかがわかるのです。

打者がボールを見逃したときの目の動きも、好不調を測る材料になります。キャッチャーのミットに入るまでボールを目で追えていなければ、そのバッターは調子を落としている可能性が高い。

好調な打者は捕手のミットまでボールを追いかけて見送ることができています。ミットに入ったボールの位置を正確にチェックして、次のボールに備えているのです。

不調のバッターはバッテリーの配球を読むことに必死になって迷いが生じ、球に対する集中力を欠いてしまうものなのです。

また、「甘い球を一発で仕留める確実性を持っているか」「三振が多いが、それはどのようにしてストライクを奪われた結果なのか」「打者不利、もしくは有利なカウントでそれぞれどんなボールに手を出したか」といったことも、打者をチェックする際のポイントになります。

 

先乗りの仕事を4年間やったのち、'91年にチーム付きに復帰しました。

忘れられない試合が'94年、同率首位の中日とシーズン最終戦で優勝をかけて闘った「10・8決戦」です。

あの日、中日がぶつけてくると予想されたのは、うちが最も苦手としていた左投手の今中慎二です。試合前、長嶋(茂雄)監督に「三井、何か策はないのか」と聞かれました。