プロ野球選手を丸裸に…仕事人「スコアラー」の知られざる伝説

わずかな癖も見逃すな!
週刊現代 プロフィール

当時の主力選手だった原さんや篠塚(利夫)さんらに「俺たちには俺たちのやり方がある」と一蹴されたときはこたえました。

そのことがあってから、どんな選手よりもスコアラーは野球を知っていなければいけないという気持ちが芽生えたのです。

作戦を考えることがメインのチーム付きよりも、データの収集と分析に重きを置き、野球の見方をより緻密に勉強できる先乗りに配置転換してほしいと直訴しました。

先乗りは、次の対戦相手の打者や投手がいまどんな状態かという最新の情報をリポートにして、提出しなければいけません。

リポートは一チームにつきA4の用紙で厚さ1㎝にも達するので、まとめるのはそれこそ徹夜の作業になります。先乗りを担当した4年間で、私は野球の見方を叩き込まれました。

 

例えば、ブルペンで投球練習をしている投手をただ背後から見るのではなく、ホームベースから3~4m離れた横の位置に立って見てみる。こうすると、球が走っている選手をすぐ見分けられます。

これは、同期入団の江川さんから教えてもらいました。球速140キロで相手を打ちとる投手もいれば、150キロでも打ち返されてしまう者もいる。スピードガンでは判断できない球のキレを見極めるのが、スコアラーの仕事です。

加えて、投手に関しては「打者の打ち気を察知したピッチングをしているか」「投球のテンポはどうか」「どんなときに投球が乱れるか」というところも見ていました。