出場停止明け3年で甲子園ベスト4、済美を変えた「改革」の中身

休みを導入し、丸刈りをやめた
元永 知宏 プロフィール

甲子園を本気で目指すから、選手を厳しく鍛えた。葛藤を抱えながら、過剰なプレッシャーをかける指導も行ってきた。その過去を見つめ直したうえで、監督として自分なりのチームづくりを考えている。

「厳しさを乗り越えてこその甲子園だという思いもありましたが、自分自身、ビクビクしながら指導していたなと思います。そういう心配はもうしたくない」

おそらく中矢と同じ悩みを抱える指導者は、大勢いるはずだ。できることなら、選手たちが考え、戦えるチームをつくりたい。そのなかで監督が果たすべき役割はなんなのかと自問自答する日々だ。

「指導という部分では、生徒に我慢させる部分も必要だと思うので、全部を緩めるつもりはありません。でも、『監督に怒られるからやる』というのではなく、もっと高いレベルで野球をやりたい。純粋に野球の技術で相手と競い合えるように」

ここまで、中矢が監督になってから行った〝改革〞について書いてきたが、上甲の指導法を完全に否定しているわけではない。甲子園で全国トップレベルのピッチャーに対しても臆さずフルスイングするバッターの姿、劇的な試合を繰り広げるところに、“上甲イズム”が感じられる。中矢は上甲のやり方を、現代風にアレンジしているように見受けられる。

 

みんなが知恵を出せばいい方法が見つかる

済美が1年間の対外試合禁止処分を受けた年に入学したのが、2017年夏の甲子園で2勝を挙げた三年生だった。翌年には、後輩たちが準決勝まで勝ち上がっていった。2018年夏の甲子園、春夏連覇を目指した大阪桐蔭(大阪)を最も苦しめたのは済美だった。前年に甲子園で2勝をマークした済美は、2年間で6勝を挙げたことになる。

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