出場停止明け3年で甲子園ベスト4、済美を変えた「改革」の中身

休みを導入し、丸刈りをやめた
元永 知宏 プロフィール

中矢がもうひとつ変えたことがある。

「監督になってから、週1日は練習を休みにするようにしました。昔の愛媛の野球だったら、『選手を休ませるなんて』と言われていたと思います」

1日休めば、元に戻るまで3日はかかると本気で信じる指導者もいるが、少なくとも済美では吉と出た。

「それで負けたら何を言われるかわかりませんでしたが、2年連続で甲子園に行くことができた。初めは週に1日休ませるのが怖かったんです。『何か問題を起こしたら大変だな』と。でも、そんな心配はもういりません。体を休ませたければ休養にあてればいいし、治療したければそうすればいい」

選手と話し合って、丸刈りをやめた

長すぎる練習時間、練習漬けの毎日、厳しすぎる上下関係、昔ながらの坊主頭。これらはすべて“野球離れ〞につながる負の要素だ。セピア色の高校野球から抜け出したい、もっと自由な野球ができるはずだ、と中矢は考えている。2020年の年明けから、選手やコーチと話し合い、丸刈りをやめた。

「暴力も含めて、中学生が敬遠する要素をなくしたいんですよ。自分たちが経験したようなことは全部なしにして、もっと純粋に野球をしたい。選手たちには野球の楽しさ、甲子園のよさを味わってほしいんです」

 

中矢は明徳義塾の選手として、済美のコーチ、部長、そして監督として、甲子園を経験している。だからこそ、聖地を目指す。

「甲子園が大きくなりすぎているのは事実でしょう。あそこを目指さなかったら、どんなに楽だろうかとも思います。でも、甲子園は本当にいいところで、最後は甲子園で終わりたいというのが目標です。選手には、あの景色、あの空気のなかで試合をさせてやりたい」

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