出場停止明け3年で甲子園ベスト4、済美を変えた「改革」の中身

休みを導入し、丸刈りをやめた
元永 知宏 プロフィール

「10年以上、一緒に指導をさせていただいて、心のどこかでいつか大きな問題になるんじゃないかと思っていました。強くなるためには厳しさが必要だし、そういう指導を続けてきたんですが……いまの選手に合った厳しさとは何かと考えていました」

監督やコーチによる指導もそう、上級生と下級生の関係もそうだ。

「厳しすぎるのはよくない。でも、緩くしていいものかどうか。言葉でわかってくれる生徒ばかりではありません。人はどんどん入れ替わるし、気質も変化していく。いまはよくても、この先も同じやり方でいいのか……。高校生は多感で、ときには枠からはみ出すこともある。甲子園に出たから正解かというと、そうではないですよね」

2017年夏の愛媛大会。中矢は「この大会で勝てなかったら、済美の野球部は終わるかもしれない」という覚悟があった。

中矢が指導を変えた

大会前に、それまでの練習法を変えることを選択した。

「昔でいう1000本ノックみたいなものをやめました。決して守備練習をおろそかにしたわけではありません。バッティングが好きな選手が多かったので、打撃を増やして、嫌になるくらいバットを振らせました」

ノッカーが怒鳴りつけ、野手がボールに飛びつくシーンは、青春そのものだ。だが、その練習で得るものがどれだけあるのだろうか。

「汗水たらし、涙を流せば、うまくなるというわけじゃない。どちらかというと、指導者の自己満足のような気がします。逆に、変なプレッシャーをかけているだけのような気がして」

 

愛媛大会5試合でチーム打率4割という破壊的な打力で勝ち上がった済美は、甲子園の3回戦で盛岡大付(岩手)に7対12で敗れたものの、強豪復活をアピールした。

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