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また独裁強化、習近平とプーチンの「ヤバい狙い」と「世界への影響」

全体主義と化す危険性が出てきた
橋爪 大三郎 プロフィール

ナチスとスターリン

かつて数々の独裁政権が誕生した。二○世紀前半のことだ。第二次世界大戦をひき起こしたのも、これらの独裁政権である。

ナチス・ドイツやソ連の体制は、全体主義とよばれる。『全体主義の起源』を書いて、全体主義の本質を詳しく掘り下げたのは、ハンナ・アレントである。

アレントは、ユダヤ系の哲学者・政治学者。ドイツを脱出し、アメリカに亡命して活躍した。

アレントによれば、独裁制度のなかでも、全体主義にはきわだった特徴がある。政府の組織に加えて、それを指導する党の組織がある、という二重構造である。党が政府を指導するのだから、民主主義ではありえない。すべての権力が党に集中する、特異なかたちの独裁政権ができあがる。

この全体主義の定義に当てはまるのは、ナチス・ドイツ。そして、スターリンが統治したソ連である。

〔photo〕gettyimages
 

それぞれ、ナチズム、スターリニズムとよばれた。掲げているイデオロギーは、アーリア人の優越を主張する国家社会主義、世界革命を掲げるマルクス・レーニン主義、と大きく違っている。

けれども、独裁のやり方に共通点があることを見抜いて定式化したのが、アレントの功績である。