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また独裁強化、習近平とプーチンの「ヤバい狙い」と「世界への影響」

全体主義と化す危険性が出てきた

先手を打ったプーチン

ロシアのプーチン大統領が、2020年1月の年次教書で、憲法を改正すると表明した。

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それを受けて、メドベージェフ首相以下、内閣は総辞職した。閣僚たちは、総辞職の話は聞いていなくて、寝耳に水だったという。代わって、ミシュースチン氏がつぎの首相に指名された。前の内閣で税務長官を勤めていた目立たない人物だった。

憲法をどう修正するのか。大統領の権限を縮小し、権力が分散するように改める。具体的には、

・大統領は、「連続して二期まで」だったのを、「通算して二期まで」にして、縛りをきつくする。
・「国家評議会」を、憲法の定める国家機関に格上げする。
・従来、大統領が首相候補を指名し議会(国家院)が承認していたのを改め、議会(国家院)が首相と閣僚候補を指名し、大統領はそれを任命する(拒否権がない)ことにする。
・大統領は、国家の重要方針を決め、軍事指揮権を保ち、首相や閣僚を解任する権限をもつ。
・軍や検察などのトップを任命する場合、大統領は、議会(連邦院)と協議しなければならないことにする。
・連邦憲法裁判所や最高裁判所の判事を、大統領の提案で、議会(連邦院)が罷免できるようにする。
・連邦憲法裁判所は、議会が裁決した法律が合憲かどうか、大統領の署名までの間に判断することにする。

などである。この憲法改正はなにを狙ったものか。

これまで大統領の権限が大きかった。大きすぎた。そこで、大統領の権限を制限し、分散する。アメリカ流の三権分立に近づけようという、憲法改正にみえる。しかし、アメリカ合衆国憲法のような考え抜かれた三権分立に見えない。大統領と内閣と議会と裁判所がうまく協調できるのか、心配になる。

 

そこで西側では、プーチン大統領の権力維持が目的では、とみる向きが多い。

プーチン大統領の残り任期は、2024年まで。二選目なので、再任はできない。まだ時間があるが、任期の終わりが近づくとレームダック状態になる。それを待たないで、先手を打って出たとみるのだ。