2020年からの日本を襲う、新型コロナよりもっと怖い大問題

日本人の7割が災害リスク地域に住む日
河合 雅司 プロフィール

2028年になると、荷物が届かなくなるエリアが増えてくる。公益社団法人鉄道貨物協会の「2018年度本部委員会報告書」によれば、トラックドライバーが27.8万人も不足する。若者たちにすっかり定着したデリバリーサービスも、エリアによってはサービス中止に追い込まれかねない。

政府は解決策として自動運転のトラックに期待をかけているが、そんなに簡単な話ではない。無人となった宅配のトラックが荷台から届け物を誰がどう選り分けるというのか

公共交通機関のドライバーも足りなくなる。JR四国では運転士の大量退職期を迎え、普通列車を大幅に減らすダイヤ改正に追い込まれた。すでに地方の駅ではタクシーの台数が少なくなっているが、今後10年もしないうちに「地域の足」が寸断されるところがどんどん増える。

2030年には、航空機のパイロット不足も懸念され、地方から都会に出る機会すら奪われかねないのだ。

2050年、国民の7割が「災害リスク地域」に住む

肝心の行政機関も、2040年頃になると機能麻痺を起こしかねない。総務省の資料によれば、人口1万人未満の町村では自治体職員が2013年比で24.2%、10万人未満の市では17.0%、中核市でも13.9%も不足する。少子化によって、自治体職員に応募する若者も減ってしまうためだ。

こうした状況は、「若い力」を必要とする警察官や救急隊員、自衛官にも例外なく及ぶ。犯罪を取り締まったり、病院へ運んでくれる若者が少なくなれば、暮らしの安心が脅かされるだろう。

また社人研によれば、2045年には住民の過半数が高齢者という〝限界自治体〟が、全体の27.6%を占めるという。それは災害弱者や犯罪弱者が増えることを意味するが、自衛官が十分に確保できなくなったのでは、いざ災害に巻き込まれたときに即座に助けが来るとは限らない。

そうでなくとも、国土交通省の資料は、2050年には、全国民の実に70%が洪水や地震などの被害が想定される「リスクエリア」(災害リスク地域。日本全体の29.9%ほど)に住むと予想している。これまで「安全・安心な国」というのが日本の大きな特長となってきたが、それを返上する日も近い。

そして、2067年には100歳以上人口(56万5000人)が年間出生数(54万6000人)を上回るという異常事態に陥る。ここまで老いた日本を諸外国はどのように眺めるであろうか。日本が完全に〝若さ〟を失ってしまう前に、社会を作り替えなければ取り返しがつかなくなる。

『全予測 2020年代の日本』の何よりの特長は、このような活字で描かれた内容を視覚的に俯瞰し、体感できることにある。

納得から体感へと変わる――これがこのたびの大きな狙いである。 本書が、「激動の2020年代」を生き抜くための良きガイドブックとならんことを願う。