亡くなったトウチャンに会いたくなって

中瀬 白川と過ごした18年間はとても幸せでした。彼も私と出会う以前に、占いに行ったことがあって、「あなたは高く飛ぶ翼と低く飛ぶ翼、ふたつの翼をもっている」と言われたことがあるそうなんです。「中間を飛ぶくらいなら、俺は高いか低いか、どちらかのほうがいい」と、彼の人生観と一致していたようで、晩年まで繰り返し話していました。ほかのことも言われたと思うのですが、この話がいちばん印象に残っていたのだと思います。

木内 うまくいっていない時も、いずれ高く飛べるはずだと思えるのは心強いですよね。

中瀬 白川は、突然、亡くなったので、最後に話すことができなかったんです。なんとかトウチャンともう一度、しゃべりたいと思っていたところ、知り合いが霊をおろしてくれる人を紹介してくれたんです。「5万円かかるがいいか」と言われ、二つ返事でお願いしたのですが、霊媒師の方は、こちらが引いてしまうくらい、がんがん机に頭をたたきつけるんですよ。しばらくすると何かが乗り移ったようになって、白川の生前の口調で、白川がよく使っていたセリフで話しはじめました。「何か話してください」と言われていましたが、号泣してしまい、「トウチャン!」と言うのが精一杯。今思えば、もっと話せば良かったとも思うのですが、すごくすっきりしたし、慰めになりました。人が聞いたら笑うようなことですが、たとえ詐欺でもよかったと思っています

木内 占いによって自分の器が大きくなっていくのはすばらしいことだと思います。辛いとき、迷った時に占いに助言を求めるのは悪いことではありません。ただ、占いの結果が背中を押すことはあっても、最終的に決断し、運命を切り開くのは自分自身なんですよね。

最後におふたりに、対面式の占いには興味はあるものの、ぼったくられそうで心配という方に、お金のことや信頼できそうな占い師の見分け方を教えてもらった。

中瀬 霊感がないのに霊感の雰囲気を醸し出している人もいますが、私のように場数を踏んでいると5分でわかります。「何か悩みがあるだろう。顔に悩みが出ておる」って、悩みがあるから来てるんだよと。そういう時はお金は捨てたものだと諦め、早く切り上げるようにしています。また、ちゃんとしている人はお金のこともきちんと前もって書いていますよね。

木内 当たる占い師は、相手を探るようなことは言わず、ずばっと断定する印象があります。占いの能力はもちろんですが、声の感じや話し方も大きいですよね。

中瀬 私は人間的なおおらかさを感じる占い師を信頼していますが、私が信頼する占い師や霊能者がすべての人に合うとは思っていません。占い師との人間的な相性もあると思います。

「視える人はいるんだなと思いました」木内さんは語る。大切なのは、占いに依存をしないこと。最後は自分が人生を決める。それ以外にないのだ 撮影/杉山和行
木内昇さんと中瀬ゆかりさんが「占いに振り回される女と占いを味方にする女の違い」を語った記事はこちら