これじゃあ次男が隠したがるのも無理ない話。高校に上がる頃に、少し落ち着きを取り戻しはじめた次男と話し合い、今度は最初から家族構成を学校にカミングアウトして通うことにしました。その高校はとても自由な校風で、LGBTに関するポスターが貼られるなど環境が整っていたことも、その決断を後押ししてくれました。

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「先生、わが家は私と、私の同性のパートナーが、あの子の親なんです」と面談で告げると、先生は表情ひとつ変えることなく「そうですか。この学校にはLGBTの生徒もいますよ」と、事もなげに言われた時の安心感。

こちらの決意具合からすると、拍子抜けするくらいのあっけなさでしたが、「このくらい、なんでもないこととして受け止めてもらえると、本当に楽だなあ」としみじみ思いました。

そんな環境も影響してか、高校に入ってから次男は変わりました。一時期、彼女ができた時には「彼女にうちの家族のこと、話したよ」と言われ、さらには彼女と次男と、私と麻ちゃんでディズニーランドに一緒に行く、なんてこともありました。

この時の彼女は、私たちを特別なものとも思わぬ自然体で付き合ってくれて、本当に嬉しかったです。残念ながら、その後お別れしてしまったようですが、彼女のような付き合い方が当たり前になってくれたらなぁ、と願わずにいられません。

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母ふたりで“かぞく”はじめました。(講談社/2020年3月27日発売)
バイセクシャルの小野春さんと、パートナーの麻ちゃん。それぞれの連れ子3人を育てはじめてぶち当たった困難。娘からの猛烈な反発と自己嫌悪、敬虔なカトリック信者である母親へのカミングアウトという壁……。さらに、自分と同じく子育てするLGBTとその周辺をゆるやかにつなぐ団体「にじいろかぞく」を設立し、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告のひとりになるまで。その約20年間にわたる、めったにない“かぞく”の顛末を書きつくします。
※本書では、この抜粋記事部分について、より詳しい状況説明や心情がつづられています。