「スマホ依存症」の重症化は「意志の強さ」では解決しない

処方箋はあるのか?
佐藤 優 プロフィール

精神科病院で診察を

〈親がスマホやゲーム機器などを取り上げたり、使用を邪魔したりするときに起きる可能性があります。家の中をめちゃくちゃに壊す、大けがをさせるような激しい暴力をふるう、包丁を親に向けるなど本当にひどいことが起きるのです。

インターネットやオンラインゲームに依存的な人は、これらの機器を取り上げられると、「負の強化」で自分自身が苦しむことを肌感覚でわかっています。そのため、たとえ普段は大人しい人であってもどのようなことをしてでも取り返そうとするのです。

中学生以降の世代では、親がスマホなどのオンラインゲーム機器を取り上げるアプローチは、本人がある程度そのことを納得している状態でないと(受験前などでは納得するかもしれません)、たいてい失敗に終わります〉

まず、子どもに軽々にスマホやタブレットを与えないようにすることが肝心だ。さらに依存症になった家族がいる場合には、自己流で問題を解決しようとせずに精神科病院で専門医の診察を受けることが重要だ。

学齢期の子どもを持つ親、教育関係者が本書を読んでスマホ依存症に関する基礎知識を持つことが不可欠と思う。

中山氏には、優れた比喩能力がある。依存症を借金にたとえて説明する。

〈借金を重ねると、次第に返済が苦しくなり、今度は借金の返済のためにさらに借金をするようになる場合があります。このような状態を世間では「自転車操業」といいます。

 

家計が「自転車操業」状態になると、収入は「給料」と「借金」になり、支出は「生活に最低限必要な消費」と「借金の返済」のみになってしまいます。酒でいいかえると「連続飲酒」といって、アルコールを体内から切らさないように一日中飲酒している状態がこれに相当します。