2020.03.13

関西の伝説『探偵!ナイトスクープ』は、なぜ東京で支持されないのか

キーワードは「合理性」
高堀 冬彦 プロフィール

「ここからは自分で行きます」

まだバリアフリーという言葉すら定着していなかったころのこと。探偵の一人である北野誠(61)が派遣されることになった。

不自由の連続だった。駅にエレベーターがなく、車椅子対応用のエスカレーターを探したり、違う駅では駅職員たちに持ち上げてもらったり。目的の駅まで着くと、駅職員が女の子の車いすを押して、駅の構外に出してくれようとした。ここで探偵の北野が声を上げる。

北野「駅の外まで押してくれるサービスは、いつもやってるんですか?」
駅職員「いえ」
北野「じゃあ押すのはここまででいいです。ここからは自分で行きます。この子の将来もありますので」

探偵・北野は女の子に冷たいわけではなかったし、駅職員の善意を無にしたのでもない。車椅子での移動が、どれだけ困難かをストレートに伝えようとしたのだ。

無事、おばあちゃんの家に着くと、女の子は声を上げて喜んだ。だが、北野は「一人で来れたと思ったら大間違いやで」と釘を刺した。駅職員の善意こそ固辞したが、道すがら大勢の市民が陰で女の子を見守ってくれていたからである。

 

再び影山教授が解説する。

「放送開始から30年以上が過ぎましたが、一般の視聴者からの依頼に基づいて作られているので、自然と時代が反映できている。視聴者がマンネリズムを防いでくれている。一方で関西人が大好きな人情話がずっとある」

関連記事