ベアと夫のクローゼット。アイテムごとに数を決めて増やさない。買い物は年に2回。気ままに買わないので、今ある服を長く大切に着るようになる。

シンプルに暮らすために家の引っ越しからはじめ、環境問題を学ぶようになると、いかに自分たちの生活が環境を破壊し、動物たちを傷つけ、無自覚に過ごしてきたかを痛感したという。そこから消費と生活を抜本的に見直すゼロ・ウェイスト・ライフがはじまった。現在、それは衣食住すべてに浸透している

例えばベアのクローゼットは全部で15着と決めている。パンツ3枚、スカート2枚、トップス8枚、ワンピース2枚で、着回しができるアイテムしか買わない。靴は黒のパンプス、ブーツ、フラットシューズ、ビーチサンダルをそれぞれ1足のみ。一つ増えたら一つリユースに出すか処分するというルールを設けている

キッチンツールや食器はすべて引き出しの中へ。食材は瓶でストック。料理やお菓子作りは好きだが、ごみが出て効率が悪いものは手作りはしない。

食材の買い物には空き瓶とエコバッグを持参し、量り売りが基本。不必要なパックや包装紙はもらわない。事前に食材の在庫をチェックして余計なものは買わない。棚の中の置き方も大切で、奥に置くと忘れることが多いので瓶は一列しか並べない。深すぎる棚は真ん中に壁を作って浅くし、在庫の管理をしやすくする。

自分たちの消費の力が地球環境に及ぼす影響を知ること。理解し、その上で行動することが大切です。ゼロ・ウェイストは持続可能に暮らすための方法ですが、制約ではありません。例えば、我が家はパーティーが好きなので、ワイングラスがたくさんあります。使い捨てカップは嫌だし、ワインを美味しく楽しみたいので。食事は“フレキシブルベジタリアン”として、ウィークエンドには肉や魚も食べています。肉を減らすのが環境に良いことだとわかっていますが、やはり体が欲するので今のスタイルに落ち着きました」

ベアがゼロ・ウェイスト・ライフを通して伝えたいことは“長続きさせる”こと。生活を極端に変えてストレスを抱えたり、我慢しすぎて不自由になってしまったら暮らしは楽しくなくなってしまう。

“持続不可能”になってしまったら意味のないこと。今の生活の中でできることを探して、無理なく継続していくことが大切

シンプルに生きていくことの清々しさと心のゆとり。ものを持たず、増やさないことでたどり着いた優雅な暮らし。ここには国を超えて参考となるヒントがたくさんある。

暮らしの中で使い捨てはトイレットペーパーくらい。古布をカットして縫い合わせ、ティッシュペーパー代わりに。洗って何度も使え、最後はコンポストに。2008年からごみを出さない生活の様子をブログで綴り、世界中で大反響。2013年には書籍『ゼロ・ウェイスト・ホーム』が話題に。現在、日本をはじめ世界25ヵ国で出版されている。zerowastehome.com

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●情報は、FRaU2020年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Akiko Fujino Text & Edit:Chizuru Atsuta