これからの世界のあり方とは? SDGsという言葉が生まれる前から、未来を見据えて活動してきた人たちがいます。社会のため、環境のため、人のため。目指したのは、地球の明るい未来とサステナブルなライフスタイル。先人たちが示した活動の道しるべに、世界を変えるヒントがあります。

私たちの生活の中で毎日出るごみ。今、そのごみが海を汚染し、地球環境を脅かしています。廃棄物は最終的にどこにいくのかを考えるべきと語るのが、アメリカ在住のベア・ジョンソンです。ごみを“出さない”暮らしを提唱する第一人者の自宅を訪ねました。

無理せずにごみを減らし、
持たない生活で暮らしを変える

一家4人が1年間に出したごみの量は0.5リットルの瓶に収まる量。内訳は、食材のラベルや宅配便の伝票、シール、洋服のタグ、来客のごみなど。

0.5リットル瓶が一つ。それがカリフォルニア州に暮らすベア・ジョンソンの家族4人が1年間に出したごみの量だ。今、世界中で課題となっている海洋汚染をはじめとするごみ問題。ここ最近、ようやく注目度は高まってきたが、彼女はすでに2008年から家族で「ゼロ・ウェイスト・ライフ」(ごみを出さない暮らし)をスタートしていた。

洗面台。ミニマムだが家族4人の必要なものは全部揃っている。真ん中は化粧品。竹製の歯ブラシや100%コットンのパフはコンポストに入れられる。

ベアが提唱するゼロ・ウェイスト・ライフの基本はいたってシンプル。5つの“R”を生活の中で守ることだ。上から優先順位が高く、Refuse(断る)→Reduce(減らす)→Reuse(繰り返し使う)→Recycle(資源化する)→Rot(堆肥化)。日本では“リサイクルをしているから大丈夫”という認識のある人も多いが、彼女の理論では優先順位が低い。

「リサイクルにはコストの問題やどのような方法かによって内容が不確かなものも多い。まずは不必要なものを断り、そして必要なものを減らしていくことが主となります

かく言うベアも2007年に現在の家に引っ越すまでは、ごみについて深く考えたことはなかったという。

「当時は今より3倍も大きい家に住んでいました。すべてにおいて大量消費を繰り返し、いわゆるアメリカンドリームとされる“憧れ”を絵に描いたような生活をしていました。でも、それが本当に豊かな人生なのか、ふと疑問を抱くようになったのです」