現在、全国の子育てするLGBTとその周辺をつなげる活動をしている「にじいろかぞく」の代表・小野春さん。彼女自身もバイセクシャルで、同性パートナーの麻ちゃんと、母2人子供3人の5人家族で15年間生活してきました。

小野さんのLGBTとしての目覚めや、麻ちゃんとの出会い。子育ての大変さや、カミングアウト問題といった、これまでの軌跡を赤裸々につづった本『母ふたりで“かぞく”はじめました。』が3月27日に発売されます。それを記念して、本書から一部を抜粋してご紹介します。

第3回目の今回、お届けするのは、「両親へのカミングアウト」について。敬虔なカトリックの家庭で育ったことで、バイセクシャルである自身を責め、罪悪感に苛まれていたという小野さん。それは、ご両親にも受け入れがたいことでした……。カミングアウトしてからの苦悩の日々についてお届けします。

小野春さん「レインボーファミリー」今までの記事はこちら

「ホモフォビア」にとらわれて

麻ちゃんと付き合いはじめた頃、私は幸せいっぱいでした。毎日がウキウキしていて目に見えるものすべてがバラ色に染まっているようでしたが、それもしばらくすると雲行きが怪しくなってきました。

その原因は、大きくふたつ。ひとつは娘との関係構築がうまくいかなかったこと(これに関してはこちらの記事で紹介)。そしてもうひとつは、私が自分のなかにあるホモフォビア(同性愛や同性愛者に対する嫌悪感や否定的な価値観)にとらわれていたことです。

Photo by iStock

敬虔なカトリックの家庭に育った私にとって、バイセクシャルであることの罪悪感は予想以上に重たいものでした。自分らしく生きようとすると、小さな頃から染み込んでいる教えが、胸に引っかかってしまうのです。思春期になる頃には、すでに教会からは遠ざかっていました。それでも幼い頃からあたり前に生活のなかにあった教えは、私自身の根っこの部分に深く絡みついていたのです。

そして、麻ちゃんのことを好きになればなるほど、心のなかで「こんなこと、しちゃいけない」という“ホモフォビアの大嵐”が吹き荒れるようになりました。その勢いは、ときに私の命を危うくするほどの大嵐でした。

教会の教えに反している、禁忌を犯している、という強い罪悪感を抱え込んだ私は、「親には絶対に知られるわけにはいかない」と思っていました。私の両親は、潔癖を絵に描いたようなキリスト教徒で、そもそも性にまつわる話がタブー。“おっぱい”という言葉すら口にしてはいけない空気。特に母は、とても悲しむだろうと思いました。