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新型コロナ、日本の対策を「評価」する時に知っておくべきこと

日本の公衆衛生に必要なのはCDCか?

アジアから欧州、北米へと感染が急速に拡大した新型コロナウイルス感染症。その対策において、日本でなされた各種の政策はどれくらいの成功を収めたのだろうか。多くの人が、そうした疑問を抱いていることだろう。

筆者は情報技術の研究者であり、感染症により引き起こされる危機的事態に向けて、日本の公衆衛生行政に近い立場でその対策に関わってきた。以下では、その観点から、1.今回の新型コロナ対策における他国と日本の違い、2.公衆衛生政策を評価する際の視点、3.日本のパンデミック対策に必要なもの、について考えたい。

3月12日の大阪。マスクをしている人が多い〔PHOTO〕Gettyimages

各国パンデミック対策に現れた違い

まず、情報技術という点から、日本と他国の対策の違いを見てみたい。

今回の新型コロナウイルス感染症への対策において――とりわけ日本を含むアジア諸国にて感染者が増加しているタイミングにおいて――情報技術を駆使した各国の感染対策が、ニュースを通じて多数紹介された。

日本においてはマスクの買い占めが生じた一方、台湾では、薬局で保険証を提示することによりマスクが配布されるという。シンガポールでは、監視カメラも動員した接触者調査が進められ、韓国では携帯電話の位置情報を用いて患者の追跡が行われているとされる。

 

中国では、携帯電話の通話や支払いデータ、公共交通機関の利用情報等を統合しながら、いわゆる「ビッグデータ」を活用した接触者の捕捉がなされたという。そして、各国の公衆衛生当局は、最新の患者発生状況をウェブサイトに大変分かりやすい形で公開するなどしてきた。

ひるがえって日本ではどうか。