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明智光秀はなぜ「異例のスピード出世」を遂げたか、ビジネス視点で読み解く

さて『麒麟がくる』はどう描くか
波多野 聖 プロフィール

光秀はこの伊次郎から二元論を学ぶ。

ユダヤ人による唯一絶対の神との契約、一神教の話を聞くことで、神の存在と人間の存在、神の国と人の国、善と悪、理想と現実、将来と今、というような二元論が生まれることを理解する。それは日本人の心理と論理には全く相いれないものだ。

日本人は全て“今”をベースに物事を同一の地平で考える。“今”に重きを置き、“今”の延長線上で将来をイメージする。しかしユダヤ教徒やキリスト教徒はそうではない。“神の国”と同じように“将来”や“理想”をイメージし、そこから逆算で“今”を考える。

信長の『天下布武』に光秀は“理想”を見た。そこから逆算で“今”何をしなければならないか、何に価値を置くべきかを考えることが出来たのだ。だから信長に高く評価されたのだと思う。

比叡山焼き討ちなど当時の常識では計り知れないことを光秀が率先して行う事に二元論の裏打ちがあったとすると納得が出来る。

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欧米人はビジネスや投資を二元論で考える。人生を二元論で考える。だから既存ビジネスの売却やM&Aを躊躇なく行うし投資も上手い。そして“理想”に向かっての転職は当たり前だ。“今”には価値を置いていない。

(二元論のビジネス応用は筆者が本名・藤原敬之で書いた『日本人はなぜ株で損するのか? 5000億ファンド・マネージャーの京大講義』(文春新書)を参照されたい)

謎の人物、明智光秀をビジネス観点でみる。戦国時代という下克上が当たり前の弱肉強食の世界でのし上がった人物の成功の要諦が現代ビジネスで十二分に通用するのは当然だろう。

そして最大の謎、本能寺の変がある。

徳川三百年の太平という“理想”から逆算で“本能寺の変”を捉えればどうなるか?

それが本小説を貫く柱でもあるのだ。

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