# 介護 # 熟年離婚

わが親の「介護離婚」でヤバいことになった40代サラリーマンの悲劇

父の介護と、母の支援という過酷な現実
太田 差惠子 プロフィール

経済的に自立できない母親

「父がこういうことになり、母の将来にも不安を感じるようになりました。母は空き家となっていた母の実家で1人暮らしをしています。家賃はかからないものの、年金は少ないようです。

いまは元気ですが、もし倒れたら僕が面倒を看ることになるのでしょう。介護費用なども足りなくなったら、僕が払うことになるのでは……」

確かに、1人暮らしになっても2人暮らしと比べて生活費はそれほど減るわけではありません。一時、熟年離婚による「年金分割」がもてはやされるように話題となりましたが、分割される部分は限定されているので、多くの場合、女性が得られる年金額は大きな額とはなりません

経済的なことだけを考えれば、熟年離婚は専業主婦だった女性にとって、かなりのリスクとなります。

「夫婦」のままなら、もし厚生年金を受給している夫が亡くなった際には遺族年金を受け取れますが、離婚してしまえば、いくら婚姻期間が長くても当然ながら受け取ることはできません。離婚をするかしないかで老後の経済事情には、雲泥の差が生まれると言っても過言ではなのです。

 

「祖母の介護を母に押し付ける父親に対し、当時は腹が立ちました。母から離婚の相談をされたときも『別れればいいんじゃん』と言ってしまったのです。でも、僕自身の人生のことを考えたら引き留めるべきでした」とナオキさんは話します。