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コロナ危機、“切り札”が使えない安倍政権「悪夢のシナリオ」

「パンデミック対策」は本当に大丈夫か

呼吸困難に陥る患者。病院に緊張感が走る。感染症が同じ地域で同時期に突発的発生をする「アウトブレイク」だ。「パンデミック」に至る前段階と言われる。医師や看護師は防護服を着込み、慌ただしく治療にあたる。懸命の治療にも関わらず患者の心臓の鼓動は止まる……。

2ヵ月ほど前の今年1月23日公開されたNetflixのドキュメンタリー『Pandemic: How to Prevent an Outbreak』(邦題『パンデミック〜知られざるインフルエンザの脅威〜』)の冒頭シーンだ。

程なく画面からこれは「予行訓練」なのだということがわかり、一瞬ほっとする。いや、安心している場合ではない。これは今、世界各地で起こっている現実なのだ。

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ドキュメンタリーはいずれ起きるであろう「パンデミック」を予見しながら、アメリカの都市部と地方、中国、インド、コンゴ共和国、エジプト、ベトナム、グアテマラ等世界各地で早期検知や封じ込め、ワクチン開発、患者への治療に取り組んでいる研究者や医師等の医療従事者の格闘ぶり、また、パンデミックが拡大する要因でもある貧困等の背景も含め、数年間の取材に基づいて撮影されたものだ。

この中に日本はない。もちろん、感染症と戦いは同じように日々行われているのだろう。しかし、安倍総理が打ち出す水際作戦には不信感が募る。専門家の諮問等を受けずエビデンスや効果がわからないまま、全国小中学校の一斉休校、中国・韓国に対する入国制限を決断したが、その過程が全く見えないからである。

 

安心情報がない

実は政府も地方自治体の多くもインフルエンザ等やパンデミックに関して、過去の検証を行った上でワクチンの確保や提供の順番、また避難が必要になった時の対処なども含め災害対策の一環として危機管理計画や具体的行動に関するマニュアルを作成している。

例えば兵庫県では、新型インフルエンザ対策として、兵庫県感染症予防計画に基づき2006年1月に「兵庫県新型インフルエンザ行動計画」と「兵庫県新型インフルエンザ対策実施計画」を策定して、新型インフルエンザの発生に備えた具体的な対策を講じてきた。

その後2009年に鳥インフルエンザが発生し、特措法に対応した新しい兵庫県新型インフルエンザ等対策行動計画を策定している。未発症期から海外発生期、県内発生期の医療対策や県民生活や経済への対策まで詳細に検討されている。