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「スタートアップ業界」をコロナ直撃! 資金調達バブルは終わる…?

ベンチャーキャピタルの真価が問われる
秋山 友紀 プロフィール

事業モデルがまだ確立されていない段階で、広くて綺麗なオフィスに引っ越したり、給与の高い人をたくさん採用してしまったケースなどです。売上が想定通り伸びない、もしくは急減する中で、手元のキャッシュがどんどん減っていくのです。

次の調達をしようとしても、前回のラウンドで実態以上の評価額が付いているので、そのプライスでVCは投資をできません。そして、前回、頼りになったCVCは、本業がコロナによる景気停滞の影響を受けてしまうので、ここからは投資に消極的になっているかもしれません……。

〔photo〕gettyimages

難しい交渉が始まる

そういうケースを想定すると、今まで、実態以上に評価されていた会社は、今後、ダウンラウンドで調達を行うケースも出てくると思います。前回の調達時に比べて、株価の下がるダウンラウンドは既存の投資家からしたら受け入れがたいことであり、反発が予想されます。

もともと上場株の運用をしていた私にとって、株価は上下して当たり前のものなのですが、ベンチャー投資の世界では、通常、株価は右肩上がりと考えられる傾向があります。かといって、キャッシュを豊富に保有する企業ならともかく、売上が急減する中で、資金に余裕のないスタートアップが、調達を延期するわけにもいきません。

 

既存の投資家としては、自分よりも後に投資した人が、より良い条件で(安い株価)で投資をするのは面白くないとは思いますが、潰れてしまっては困るので受け入れざるを得ません。今後、コロナショックを受けて、様々な場所で難しい交渉がされるのだと思います。

しかし、前半にお話したように、真に価値のある事業や優れた経営者は、一度しゃがむことがあっても、危機を乗り越えて成長するものです。一度、信じて投資した会社で、経営者の志がぶれていないのなら、大変な時こそ一緒に苦労をし、再び成長軌道に戻るまで伴走をする。ここから多くのVCがそんな存在感を発揮すると日本経済の未来に明るい材料になるような気がします。

私は、ベンチャーの調査を始めてまだ日が浅いのですが、以前と比べると、VCに資金が集まり、また優秀な方がスタートアップに集まっているなと感じます。微力ですが、一時的なコロナの影響に負けず、良い循環が続くよう支えていけたらと思っています。