仕事至上主義の先にあるもの

そもそもなぜ日本は、海外の働き方が知られるようになった現在においても、過剰な労働に頼り続けてしまうのか。私はその問題の根本に、日本にはびこる「仕事至上主義」の精神があると考えている。

仕事に関わる時間は何より優先されるべきという仕事至上主義の考え方が前提にあるので、仕事を与える側は安易に労働力に頼り、与えられる側も与えられた仕事を人生の他の時間を削ってでも取り組むべきだと感じてしまうのではないだろうか。

またこの「仕事至上主義」は、労働力に頼ることへのハードルを下げてしまうだけでなく、育児や教育など仕事以外の大切な要素の軽視にもつながっているように思う。

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この点は、例えば性別によって不平等な仕事・就職環境を生み出すなど人権に関わる様々な不条理をもたらすだけでなく、仕事の質という面でも、人としての視野を狭め、仕事の柔軟性を削る危険に繋がっていないだろうか。