また、有給休暇の取得率の低さも日本は際立っている。エクスペディア・ジャパンが2018年に公表した有給休暇や長期休暇に関する国際比較調査の結果によると、日本の有給休暇取得率は50%しかなく、調査した国の中で最下位であった。対して、90%を超える国は欧米諸国だけでなく韓国やシンガポールなどアジアにも多く見られ、日本のように50%に近いような国は世界でも稀である。

つまり、私が欧米で経験しているしっかり休みを確保する働き方は、世界の中ではむしろ標準的であり、日本の働き方が世界的に特殊なのである。

許し合えない日本社会

私は日本の働き方の特殊さは、主に以下の2点に象徴的に現れていると考えている。

1. 寛容さの欠如
2. 責任の所在の曖昧さ

まず「寛容さの欠如」についてであるが、欧米の多くの地域に比べ日本では、仕事上の不具合を許し合わない傾向にある。

例えば日本では、郵便や宅配便が早く届かない、交通機関含めスケジュール通りにならない、担当者が不在で仕事が遅れる、納期に間に合わないなど、あらゆる不具合を許さず「誰にも迷惑をかけていない状態」へ向かおうとする。この傾向は、不具合に対処するための労力の増加だけでなく、仕事を休むことへの躊躇にもつながっている。

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対して欧米では、極端な話でもなく、郵便は遅れ、電車は定刻通りに動かず、担当者も通知なしに休み、期日通りに仕事がなされないことも日常茶飯事だ。その背景には、多少の不便もお互い様という「迷惑を悪としない精神」があると私は感じている。

だから例えば、緊急の要件が目の前にあっても終業時間になれば帰宅するし、逆に緊急時に対応されなくても必要以上に責めたりしないのだ。日本から移動したばかりの時は、このような性質に戸惑いを感じたが、今では周囲に迷惑をかけてはいけないというある種の「呪い」のようなストレスから解放され、自分のペースで穏やかに仕事にも休暇にも向かうことができている。