水原希子さん出演でドラマ化され、話題となった『ブラを捨て旅に出よう』の原案者・歩りえこさんのFRaU web連載「世界94カ国で出会った男たち」(毎月2回更新)の第4回。

前編となる記事「東ティモールで観光案内してくれた『友人の男友だち』が豹変した瞬間」で、「東ティモール民主共和国」で友人の友だちである男性に観光案内してもらっている途中にいきなり胸を掴まれ、さらなる危険を回避しようと行動に出るところまでをお伝えしました。この記事では、エピソードの続きをはじめ、ピンチの乗り越え方、友人からのごもっともなお説教内容、今回の旅で肝に銘じたことを歩さんに綴っていただきました。

歩さんの今までの連載はこちら▶︎

東ティモールのローカル市場。写真提供/歩りえこ

ピンチすぎてどうしよう…
恐怖と絶望感が襲ってくる

東ティモールで観光案内をしてくれた友人・レナ(仮名)の男友だち・アルメリオ(仮名)に、周りに誰もいないビーチでいきなり胸を掴まれ……驚きと恐怖でいっぱいになった私。怒りの感情を交えつつ強い口調で「今すぐ街へ戻りたい!」とお願いし、アルメリオに車を出してもらうことになったが……車が全然動かない! 

砂にタイヤがはまっているのか、何度もエンジンをかけてみるものの、その度にエンジン音のみが虚しく響いて車が動き出すことはなかった。

私はずっとペーパードライバーで10年前に取得した運転に関しての知識はほぼ忘れてしまっている状態。本当にスタックして車が動かない状況なのだろうか? こんな時にどうすればいいの? どうしよう……。今はまだ昼間だからいいけれど、このまま車が動かずに立ち往生したまま日が暮れてしまったら……。考えれば考えるほど、恐怖と絶望感が襲ってくる

やがて、アルメリオはエンジンをかけることを止めた。「君を見て気に入らなかったら、わざわざ休日に観光案内なんかしないよ。車も動かないことだし、もう少し二人でゆっくりしようよ」と言いながら顔を近づけてくる。

ひぃ~~!! 私は咄嗟にバッグから携帯を取り出してレナに電話をかけようとした。『私に少しでも変なことしたら今すぐレナに電話するよ!』まるで、小学生が「〇〇君のこと先生に言いつけるからね!」と言う程度の全く迫力のない言葉に自分でもがっかりした。ダメだ……こんなの全然怖くないじゃん。

しかも、携帯画面を見るとまさかの圏外! 通話もメールもできない状態で、もはや全く使い物にならないポンコツ携帯だ。私は圏外なのがバレないように液晶画面は彼に見えないようにすぐさま耳に当てた

すると、意外にもアルメリオは突然焦り始め、「お願いだからレナには内緒にしておいてくれ!」と言って慌てふためいて……再びエンジンをかけ始めた。

すると今度は一回でエンジンがかかり、車が動きだしたではないか! まさか、さっきまでのは単なるエンジンふかしだったんじゃ…? と思うくらい急に車が動き出したのだ。もしも、わざとだとしたらこのアルメリオはなかなか計算高い男かもしれない

こちらがアルメリオ。この時は楽しく観光していたが...。写真提供/歩りえこ