「獲物」を見つける力が必要な時代に
真っ先に考えるべきこと

連載『問題発見力を鍛える』vol.2
細谷 功 プロフィール

VUCAの時代には「あいまいな依頼」が増える

例えば情報システムを例にとりましょう。定常状態では、ある程度システムの基本的な設計が変わらずに毎年一定のメンテナンスや機能拡張などが行われるために、仕事そのものを発掘しなくてもある意味自動的に仕事は入ってきました。

これはそもそもその情報システムが支えているビジネスモデルや基盤となるテクノロジーに大きな変化があまりないが故のことです。

 

ところが、クラウド化やIoTが進んだり、AI導入によるビッグデータの活用が必要とされる「第四次産業革命」の時代になると、そもそも顧客は「顧客の顧客」のニーズ変化を読み取った上で、どのようなビジネスを実現し、それをサポートするためにどのような情報システムが必要になるのかを考えなければなりません。

また自社のインフラも全く新しいアーキテクチャーを用いて再構築する必要があり、そのためには全く新しい哲学、つまり思考回路が必要になります。

そこで困った顧客は情報システムのサプライヤに対して、(それまではある程度定常的に仕事を発注していたのに)「何か良いシステムを提案して」という形で仕事をあいまいな形で依頼することも増えてきます。これがVUCAの時代において問題発見が必要になってくる理由です。

「言われたことを忠実にこなす」時代は終わった

同様の構図は、親会社と子会社の関係や関係会社間での仕事の受発注にも当てはまります。

系列や親子関係によって、「自動的に仕事が流れて」いて、良くも悪くも「定期的に仕事を回す代わりに言われた通りにやる」というスタイルが崩れて、発注側のスタンスも「他から仕事を取っても良い代わりに提案内容次第では発注しないかも知れない」と変化していきます。

いままで何十年も「仕事をもらって当たり前なので、あとはその成果物の品質を上げるか?」という問題解決型の課題に慣れた人たちにはこのような「曖昧な」依頼がつかみどころのないものに見えてしまいます。

このような理由によって、それまで受託開発を基本としてきたシステムベンダーが「顧客課題解決型」「提案型」「コンサルティング型」に移行しようとしても「頭でわかっていても体がついていかない」という状況になるのです。