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「獲物」を見つける力が必要な時代に
真っ先に考えるべきこと

連載『問題発見力を鍛える』vol.2

問題は「与えられる」から「自ら探しに行く」

前回は、VUCAの時代(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)には、重要性が問題解決から問題発見にシフトしていくことをお話しました。

まずは最後になげかけた問いである「いままで『問題を与えてくれた人』(顧客、上司、親会社等)から『何か考えて提案して』と言われる場面が多くなっているとすればそれはなぜでしょうか?」について考えてみましょう。

 

まずはこういうたとえ話から行きましょう。

山における狩りでも、海における漁のようなものでもよい、何か獲物をたくさん取りたいときに大事なことは何でしょうか?

大きく2通りの状況が想定されます。

一つ目は、獲物が十分いる場合です。この場合に大事なことは、「いかにうまく獲物を取るか」になります。つまり見えるところに獲物はたくさんいるわけですから、あとはそれをいかに効率的に最低限の労力でつかまえるかが成功のキーとなります。

続いてもう一つの状況というのは、獲物が十分にいない場合です。この場合は、そもそもまずは「獲物がいる場所を探す」ことの方が重要になります。

もうおわかりでしょう。前者が問題解決がより重要な場面で、後者が問題発見がより重要な場面ということです。

獲物を探すところから始めなければいけない

ここまでの話を、前回お話したVUCAの時代と結び付ければ、VUCAの時代とは「獲物の場所から探さなければならない時代」と言えるでしょう。

変化が激しいということは、獲物の位置が流動的で、そのための情報も少なく、確実に獲物を捕まえることが難しくなってきたことがいまの時代の特徴です。

比較的時代が安定している時には、ビジネスにおいても仕事の流れがある程度定型化されているために、だまっていれば仕事が流れてきます。そのような場合に重要なことは、決められた仕事をいかに効率的に数多くさばくかになります。

ところが変化が激しく、不確実性が高い環境下においては、非定型な仕事も多くなり、なにより仕事そのものがだまっていても降ってくるわけではなく、自分なりに探しに行く必要が出てくるのです。

ここで冒頭の問いにもどりましょう。顧客との関係も、定常的な関係においては毎年毎月同じような発注がくるような環境から、ビジネス環境が大きく変わる環境では、顧客自身も何をやって頼んでよいのかがわからないために、だまっていても注文が自動的に入ってくることはありません。