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香港の新型コロナ隔離施設、設置反対で「民主派デモ」が再燃している

途方もない「混沌」

新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」は、2週間にわたり乗客乗員およそ3700人を乗せたまま横浜港に停泊。このなかに300人もの香港人が乗船していた。

香港特区政府はチャーター機を手配し、船上の香港市民を帰還させた。だが香港では隔離施設の設置などに反対する民主派のデモが続き、政府の新型コロナウイルス肺炎対策は数々の障害に直面している。

香港は未だコロナ蔓延と民主派デモが入り乱れる不安定な状況だ。

香港の乗客約200人、政府チャーター機で帰還

乗客の中で最初に発症したのは80代の香港人男性。船内で1月23日に発症、25日には香港で下船した。集団感染が一気に広がったのはその後だった。乗客の香港市民およそ300人のうち初期段階で53人の感染が判明した。ここから船内での検疫のため2週間の船内滞在が始まった。

2月18日には林鄭月娥・香港行政長官が香港市民を乗せるチャーター機の第1便が19日に東京に赴くと発表。「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗っていた香港市民は、帰還後すぐに新界・火炭(フォータン)エリアにある未入居公共住宅であり、検疫センター(隔離施設)となっている「駿洋邨」で14日間の強制検疫を受けることになっていた。

「ダイヤモンド・プリンセス」photo by gettyimages(2020年2月20日撮影)

第1陣の帰還者は106人。この時、66人の香港市民が新型コロナウイルス肺炎に感染、日本にとどまって治療を受けることになった。続く第2便は22日午前1時半に香港に到着。香港市民のうち82人とマカオ市民2人が搭乗した。マカオ市民はマカオ特区政府が手配した車で空港から港珠澳大橋を経由してマカオに向かい、香港市民は隔離施設となっている火炭の公共住宅「駿洋邨」へ送られた。最後の第3便は、その翌日に5人を乗せて香港に到着した。

3便に及ぶチャーター機で引き取ったダイヤモンド・プリンセス号の乗客は計195人、うち193人が香港市民、2人がマカオ市民。この時点では、船上では香港市民70人が新型コロナウイルス肺炎に感染し、密接な接触者は約30人。23人がまだ下船できない状況だった。

 

現地では多くの観光バスがダイヤモンド・プリンセス号の乗客を乗せるのを拒否する中で駐日中国大使館が華人団体の協力を得てバスを手配。特区政府入境処の曽国衛・処長は「日本での作業は多くの不確定要素と突発的状況がある」として措置が理想的でないことを認めている。