制裁下の北朝鮮が取り組む経営大改革と脱石油の社会づくり

「自力更生」を目指して(後編)

⇒【前編】「北朝鮮はなぜ、厳しい制裁下でも「経済発展」しているのか」

外国企業の目論見

金正恩(キム・ジョンウン)体制になった北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は工場・企業に対しても事実上の経営権を与え、労働者の勤労意欲を高める経営管理方法を導入した。また、石油などの輸入に依存しない「自力更生」の社会づくりに取り組んでいる。果してそれは成功するのだろうか――。

電飾されたウサギ耳のカチューシャを、女性店員たちがつけている。このブースで展示しているのは、日常生活では必要のない装飾用の照明器具だ。私が目の前でカメラを構えても気にしないほど、客は店員と夢中でやり取りをしていた。

国産化粧品をセールスするブースには、立派な容器に入った多種類の高級化粧品が並ぶ。入場料を払って入場した市民たちが、人気ブースに群がっていた。

「平壌国際商品展覧会」は毎年、春と秋に開催。22回目となった昨年5月の展覧会には、過去最大の約450社が参加。そのうち外国企業は、中国・ロシアなど19ヵ国・地域から前年の2.5倍にあたる270社だった。

初出展のポーランドの製薬会社に話を聞くと、「北朝鮮には我々の商品が入り込む余地が十分にあります」と語り、アジア進出の足がかりにしようとしているという。

 

「国連安全保障理事会」による制裁で、外国企業の北朝鮮との取り引きは厳しく制限されている。かつてはこの展覧会に日本企業も出展していたものの、日本政府による制裁で参加できなくなっている。多くの外国企業の出展は、制裁解除後を見据えてのものだろう。

並んでいる商品は、大型テレビ・冷凍冷蔵庫などの電化製品、医薬品・化粧品・衣類などと多様。屋外にも大量の電動自転車や家電が並べられ、簡単な食事を出す大きなテントは市民たちで満員だった。