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日本人が知らないワタミ「中国完全撤退」の舞台裏

一度は勝利を掴みかけていたが

居酒屋チェーンを運営するワタミが新型コロナウイルスの影響長期化を理由に、中国からの完全撤退を発表したのは、今年2月5日のこと。

このニュースは、中国に拠点を置く多くの日本企業が、その影響を危惧する中「いちはやい決断」として注目を浴びた。

ワタミはなぜ、こんなにも早く撤退の決断を下すことができたのか。中国在住20年。現地でサービス産業のコンサルタントをしている筆者が解説したいと思う。

「中国外食チェーン」の勝者だった

ワタミの海外展開は2001年から始まる。

香港にオープンした「ワタミ・ジャパニーズ・ダイニング」は、日本の居酒屋「和民」と異なり、著名なデザイナーに設計を依頼したハレ感たっぷりの空間。まさに、ワタミが目指している、飲んで、食べるだけでなく「時間と空間を楽しむ」ことを具現化した業態であった。

 

薄暗いお洒落な内装と小洒落た創作日本料理。マニュアルに則した日本風のサービスは、当時の香港人の心を捉え、あっという間に行列の絶えない人気店となった。

満を期して中国本土(深セン)に進出したのは、2005年。奇しくも中国各地で反日デモが広がった年である。