新型コロナ、世界中の人々が「悪質デマ」に踊らされる構造

メディアや専門家の情報発信にも注意を
石田 健 プロフィール

3. 人種差別的な問題と中国

もう一つの特徴が、今回の「インフォデミック」において、デマや誤った情報が人種や地域に対する差別・偏見と結びついているケースが見られる点だ。

新型コロナウイルスが中国・武漢で発生したにもかかわらず、WHOが地域を冠した名前をつけないのは、差別や偏見を助長するリスクを考慮しているからである。

自民党・山田宏参院議員が「原因を明らかにするため、私は武漢肺炎と呼ぶ」と発言したことは、専門家の熟慮を無視した愚かな行為だが、山田議員のような無知・無思慮は世界に広がっている。

〔PHOTO〕gettyimages
 

BBCによれば、「欧州やアメリカ、オーストラリアなどアジア人が明らかに少数派の地域では、中国人は不衛生で非文化的だというステレオタイプがシノフォビアを加速」させているという。

2月24日には、東アジア系留学生が英・ロンドンで集団暴行被害にあったことを訴えており、3月1日には日本人女性がパレスチナ人女性から「コロナ」とからかわれた後、トラブルになり暴行を受けた事件が起きた。

デマが混乱を生むだけでなく、差別を露呈させるとともに、実際のトラブル・暴力へと結びついてることは、この問題が現実社会に大きな影響を与えていることが分かる。