新型コロナ、世界中の人々が「悪質デマ」に踊らされる構造

メディアや専門家の情報発信にも注意を
石田 健 プロフィール

2. 状況に合わせて生じるデマ

様々なタイプのデマが、新型コロナウイルスの感染状況に合わせて拡大していることも今回の特徴だ。一口に誤った情報と言っても、その内実は様々である。

例えば、一般的にフェイクニュースとして知られる「ウソ」も、ディスインフォメーション(虚偽の情報)とミスインフォメーション(誤った情報)に分けられることがあり、政治的な意図を持っている場合はプロパガンダと呼ばれ、誤解を招きやすい情報をミスリーディングな情報と分けたりもする。

この分類に統一した見解はないものの、今回の「インフォデミック」でもいくつかのパターンが見られ、一括りにデマと呼ぶことは避けるべきである。

例えば、前述した「新型コロナウイルスは生物兵器」説や「中国が患者数を意図的に操作している」など、現時点で確証がない情報は陰謀論に分類される。

また、2月上旬から中旬にかけて、日本の患者数をクルーズ船内の感染者や中国・武漢からの帰国者などと区別しないままカウントする報道が見られたが、これはミスリーディングな情報と言える。

意図した虚偽か意図しない誤りかを判断することは難しいが、「30分に1回水(お湯)を飲めば予防になる」や「アルコール消毒は新型コロナウイルスには効かない」などの情報は、人々の不安につけ込んだウソ・誤った情報だと言える。

 

注目すべきは、こうした情報が感染状況とあわせて広まっている点である。

中国国外で感染者が出ていなかった頃は、共産党の情報隠蔽などの陰謀論が広まっていたが、日本の水際対策がスタートした頃は、中国人の入国に関連したデマなどが広がった。

そして、日本での感染が本格的に拡大するとともに、新型コロナウイルスに効果がある食べ物や予防法などの情報が、SNSを賑わすようになった。

注目を集めるためのウソや笑いを取るためのパロディなども含まれるため、一括りには出来ないが、人々の関心・不安を反映したデマが生じていることがわかるだろう。