新型コロナ、世界中の人々が「悪質デマ」に踊らされる構造

メディアや専門家の情報発信にも注意を
石田 健 プロフィール

現在生じている「インフォデミック」には、大きく4つの特徴が指摘できる。

1. 世界同時多発的な混乱

SNSなどによるデマや誤情報は珍しくないが、世界同時多発的に生じることはそれほど多くない。

選挙やテロ、自然災害などに合わせてデマが飛び交う事例は、古代ローマから枚挙に暇がないものの、世界中が同時に1つのリスクに直面するケースは数少ないからだ。

「インフォデミック」という用語は、2003年の米・Washington Post紙においてデイビット・ロスコフがSARSの流行を分析する中で使用しており、WHOも2018年頃から使用している。

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マネージング・エピデミック』と題された冊子には、公衆衛生における重要な概念として「インフォデミック」が挙げられており、デマや信頼できない情報への対処について記されている。

しかし2003年にはSNSが浸透していなかったことを考えても、世界中が「インフォデミック」の現実的な脅威に直面したケースは、今回がはじめてだと言える。

2018年のコンゴ民主共和国におけるエボラウイルス発生時、WHOは「インフォデミック」に警鐘を鳴らしていたが、あくまでも限られた地域の問題だった。

 

2月中旬には、WHOからFacebook、Twitter、Google、そしてTikTokなどハイテク企業に対して、「インフォデミック」への対応が要請された(参照:BBC)。

これまでアメリカ大統領選挙やパリ同時多発テロ事件などで、デマや誤情報への対策を進めてきた企業であっても、各国レベルではなく世界規模での戦いを求められるケースは珍しいはずだ。