手術前日にキャンセル。
子宮を残したかった

その後、子宮全摘出手術の決断をするも手術までの1ヵ月の間に、原さんの心は大きく揺れ動いてしまった。

「円錐切除で悪いものはとっているのに、再発の予防とはいえ“なぜ子宮を全摘出する必要があるのか”という思いが次第に強くなり、なんと手術の前日にキャンセルをしてしまったんです。今なら全摘出の必然性も分かるけれど、当時はがんの知識もなく、どんなに医師から丁寧に説明されても聞く耳が持てず、未熟な決断をしてしまいました」と原さんは、当時を振り返る。

“子宮をどうしても残したい”と訴える原さんに主治医は、毎月定期検査を受けることを条件に、意向を受け入れてくれた。「必ず守って」と毎月の通院検査を約束した。ところが、通い始めて2年半たったころ、パタリと病院に行かなくなってしまった。

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「“自分ばかりがなぜ!?”という思いが強くなってしまって。周囲は、恋や結婚、妊娠と楽しそうなのに、自分は常にがんを気にしなくてはない。その頃は体調もよく、“もう大丈夫だ”と言い聞かせていました。正直、がんをなかったことにしたかったんです」

ところが、がんの告知からあと3ヶ月で5年という区切りを迎える頃、原さんはこれまで経験したことがない激しい腹痛に襲われて、別の病院に駆け込むことになる。

医師からは、「これはひどい。どうしてこんなになるまで放っておいたの。進行していて命にかかわります」とはっきりと言われたという。

(写真はイメージです)photo/iStock