がん告知よりも衝撃だった「子宮摘出」

原さんに子宮頸がんが見つかったのは、30歳のときだった。

「もともと生理前の不調が重くて、ひどい腹痛や茶褐色のおりものがあり、レディースクリニックを受診したところ、子宮頚部にポリープが見つかりました」

原さんはその後受診した大学病院で、子宮頚部にあった13mmの腫瘍を円錐切除術(患部のある部位を円錐型に切り抜く手術)を受けることになった。あっという間の手術で、“悪いものを取ってしまったからもう終わり”、と軽く考えていた。

「ところが患部の病理検査の結果、“子宮頸がん”と告知されました。それも進行が速いとの判断から子宮全摘を勧められたのです。その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になり、同席していた母の手を握りながら泣いて取り乱しました。私にとっては、がんになったことよりも、“子宮を取ること”の方がショックだったんです」と当時を振り返る。

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主治医は「子宮を摘出すれば、また元気に生活ができるから」と説明するが、独身の原さんは、“いつか結婚して母親になりたかったのに……”“子宮のない私を好きになってくれる人がこの先現れるのか……”と、ただただ絶望的になったという。

仕事もプライベートもうまく回らない時期とも重なっていた。「この上女性としての幸せまで取り上げられるなんて」と、診察室を出た瞬間、誰もいない廊下で泣き崩れ、過呼吸から看護師のケアを受けるほど、原さんにとっては受け入れがたい現実だったのだ。

(写真はイメージです)photo/iStock