3月16日 鈴木梅太郎がオリザニンを発見(1910年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1910年のこの日、日本の農芸化学者・鈴木梅太郎(1874-1943)が米糠(ぬか)からオリザニン(ビタミンB1)を発見しました。

 

東京帝国大学農科大学教授、東京農業大学教授を経て理化学研究所(理研)の主任研究員となった鈴木梅太郎は、日本のビタミン研究の先駆者といえる人物です。

彼は「脚気の原因は白米食にある」という説に注目し、米糠から脚気の予防・回復に有効な新成分を発見したのです。

その業績は現在でも大きく讃えられており、土星型原子モデルを提唱した長岡半太郎KS鋼の発見で名高い本多光太郎とともに「理研の三太郎」と並び称されています。

米糠 Photo by iStock

脚気はビタミンB1が不足しておこる病気です。症状としては食欲不振や足のしびれといったものが挙げられ、症状が悪化すると死に至ります。

この病気は、第二次世界大戦後に至るまで日本で長く猛威をふるいました。伝染病や風土病ではないかと思われてたなかで、白米食が原因ではないかという説に注目したのが鈴木梅太郎です。日本では白米がご馳走だとされており、十分なおかずを食べる習慣もなかったため、ともすれば栄養不足の状況に陥っていたのです。

そのことを見抜いた鈴木は玄米、ひいては米糠を研究し脚気の原因となる栄養素(ビタミンB1)を発見、これにイネの学名にちなんだ「オリザニン」という名前を与えました。この発見は脚気の予防に一役買っただけではなく、日本人が「ビタミン」というものを研究するきっかけとなりました。

ところで、インスタント食品などの食べ過ぎで栄養が不足した現代人にも脚気予備軍が増えているとされています。

この病気を予防するためにはビタミンB1を多く含む玄米やレバーが効果的です。食生活に注意して健やかな生活を送りたいですね。

Photo by iStock