新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、この厄災は日本政府の危機管理の脆弱性を浮き彫りにした。
直ちに入国制限等の措置を取らねばならなかった日本政府の動きは真逆で、すでに中国湖北省武漢市の封鎖が始まっていた1月24日の段階で、中国人に春節での来日を促す安倍総理のメッセージを発信するなど、最初からボタンを掛け違えた。
大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の対応でも、結果的に船内感染を拡大させただけでなく、あろうことか船に出入りした検疫官や厚労省の職員も感染した。
また、感染リスクのある乗客を下船と同時に公共交通機関で帰宅させその後の行動制限も行わないなどの杜撰な措置はさらなる感染拡大につながった。
PCR検査の民間委託が遅々として進まないのも不可解極まりなく、未だに実際の感染者数がどこまで正確に把握できているのか定かではない。
一方、感染拡大がもたらす経済活動や社会生活への深刻なダメージも進行中で、先の見通しが立たない国民の不安や苛立ちは高まる一方だ。
マスクの買い占めや高額転売などの動きも発生し、デマに起因してトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙製品、アルコールなどの消毒液、米やパスタ、缶詰などの食料備蓄品も店頭では品薄になっている。