横浜市が「住みたい街」3年連続1位のウラで直面する「ヤバい未来」

エリアの「勝ち組・負け組」も鮮明に
大原 みはる プロフィール

明確になる「勝ち組・負け組」エリア

人口約375万人、2位の大阪市を約100万人引き離し、京都府や37の県の人口をも上回る国内最大の市。港町だけでなく、下町風情あり、ニュータウンあり、そして山や緑もある。

こうした多様な地域性を持ちながら、横浜市民が他地域よりも強い一体感を持っている背景には、小学校で横浜市歌を教わるというエピソードが示すように、横浜ブランドへの強い愛と誇りがある。カジノはそこに大きなくさびを打ち込みかねないのである。

ちなみに「カジノ抜きのIRにする」といった都合のいい妥協案は、施設の採算面から実現が難しいといわれており、賛成派と反対派の溝が埋まる見込みは少ない。

万一、住民投票を実施せずに市が誘致を強行するようなことがあれば、米国大統領選挙や英国のEU離脱問題で言われた「社会の分断」に陥りかねない。日本の都市のリーダー的存在である横浜で、そんなことがあってはならないだろう。

 

先ほども触れたが、林市長率いる市役所や一部の経済界がIRにこだわる理由のうち、特に切実な危機意識を持って語られるのが、都市の力の衰えに直結する「人口減少」と、その結果としての地域経済衰退への不安である。

これまで長年、立地条件と良好な都市イメージに支えられて順調に人口が増加してきた横浜市だが、市全体での人口ピークアウトは目前に迫っている。ベイエリアはともかく、実はかなり前から市内地域間の勝ち組・負け組もはっきりしていて、この10年で人口が減少した区は全18区の半分近い8区に及んでいる。