2016年から2017年まで放送のハワイ版テラスハウス『ALOHA STATE』に出演していた経歴を持つ、モデルの長谷川ミラさん。現在、ロンドンの美大「セントラル・セント・マーチンズ」に在籍する現役大学生の彼女は、ロンドン留学での経験や、南アフリカ人(ドイツ系アイルランド系)の父と日本人の母を持つ自身のバックボーンを生かし、モデルの仕事と並行して、ジェンダーや環境問題、フェミニズムなどさまざまな社会問題に関しても活動している。

そんな彼女が、発信する連載の第1回。今回は、日々暮らす中でぶち当たったという「アイデンティティ問題」について、海外を旅する中で感じたことや、ロンドン留学中に衝撃を受けた出来事をもとに綴ってもらった。

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「私って日本人?」
自分のアイデンティティが分からない

「Where are you from?」
海外で乗るタクシーで必ず掛けられる言葉だ。

18才の時初めて親元を離れ、2ヶ月程ロンドンで生活したことをきっかけに海外に一人で飛び回ることが増えた私は、南アフリカ人(ドイツ系アイルランド系)の父と日本人の母との間に生まれたTHE ハーフ。純日本人ではない生い立ちから、最初この質問になんと答えていいのかわからなかった。

そう、私は「アイデンティティクライシス」になっていたのだ。

写真提供/長谷川ミラ

「Where are you from?」直訳すると、「あなたはどこからきたの?」。
質問された通りに「日本」と返すと、「じゃああなたは日本人なの?」と必ずと言ってもいいほど聞かれる。

なんて答えたらいいのだろう。
今まで日本にいる時は日本人とは言わず、「南アフリカとのハーフです!」と答えていたのが正解だったし、正直「日本人です」って自信を持って言えるだけの習慣も感覚も持っていなかった。たとえどれだけ日本で生まれて育っていてもね。きっとこれを属に言う“ハーフあるある”と言うのでしょう。

少し悩んだ末に、私は冒頭の質問に対し、いちいちタクシーのおじちゃんにハーフだと言うのも正直面倒臭かったので、「日本!」と答えてみた。するとまさかの「おーーー! I LOVE JAPAN!!!」という反応で、次々と日本人の礼儀正しさや文化の素晴らしさを話し始め、褒めてくれる。

もちろん、「日本人に見えないね」とか、「ほかに血が混ざってるでしょ?」って言われることもあるけど、私が“このハーフ顔で日本人”っていうことに反論する人は、当たり前だけどいない。

こうして、どこから来たのか質問され聞かれる度、「I’m from Japan!日本人よ!」と答える機会も増え、次第に日本人としてのプライドが芽生え始めた。

移民が多い運転手さんと話していると、日本の当たり前が当たり前ではないことに気づき、日本のことを調べる機会も増え、以前より日本に生まれたことを感謝するようになった。

そして最初から、はっきりと日本人と答えられなかった自分に腹が立った。