3月11日 珍獣パンダ発見(1869年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1869年の今日、フランス人の宣教師アルマン・ダヴィド(Armand David、1826-1900)が、西欧人として初めてパンダを発見しました。

アルマン・ダヴィド Photo by Public Domain

宣教師にして博物学者でもあったダヴィドは、中国・四川省の宝興県に教会を建てて布教につとめるかたわら、ここを拠点として植物調査を行っていました。そんな彼が、この日に地元の猟師たちから「白黒のクマ」の毛皮を見せてもらったと日記に記しています。これこそが、現在一般にパンダと呼ばれる動物だったのです。

中国では、紀元前に著された地理書『山海経』にも「熊に似た、白と黒のけもの」との記述が残るなど、古くからパンダのことは知られていました。しかし、西欧人がパンダを目にしたのは、これが初めてだったと言われています。

ダヴィドは、この見たこともない珍獣の毛皮と骨をパリ国立自然史博物館に送り、新種の動物であると正式に認められました。これをきっかけにパンダは世界中に知られることになり、特にパンダの白黒模様の毛皮は人気になりました。

しかしそれは、毛皮を目的とした狩猟をも活発にしてしまったのです。パンダはもともとの個体数も少なく、早く走って逃げることも反撃することもできません。

1934年、アメリカ自然史博物館に持ち帰るパンダの標本と記念撮影するハンターたち R&D・モリス『パンダ』(中央公論社)P56より

そのためこの狩猟ブームによってパンダは絶滅の危機に陥り、最も少ない時にはその個体数が1000あまりにまで落ち込みます。

現在では、中国を中心にパンダの個体数を増やし保護する研究が本格化しています。日本でも東京の上野動物園や和歌山のアドベンチャーワールドでジャイアントパンダの繁殖に成功しました。

また、WWF(World Wide Fund for Nature、世界自然保護基金)のシンボルマークにも使われるなど、パンダは世界の環境保護の象徴ともいえる存在になっています。

WWFのシンボル Photo by Getty Images