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新型コロナ「経済危機」はヤバいのか…2つのシナリオ

感染で経済は崩壊などしない

コロナウィルスの感染拡大に伴い、経済活動への影響が危惧されている。OECDは、世界GDPに与える影響は、0.5%から1.5%であるとしている。経済的コストは、感染拡大防止のために人々の移動などを制限することから生じる。対策の選定や経済的損失への対処には、慎重な検討が必要だ。

2020年に0.5%落ち込むが21年に長期的趨勢取り戻す

コロナウィルスが経済活動にどの程度の影響を及ぼすか? 正確な予測はできない。しかし、おおよそどの程度の規模のものになるか、その輪郭を掴んで置くことは必要だ。現在のところもっとも詳しい分析は、OECDが3月3日に発表したレポートだ。

ここには、(1)コロナウイルスが早期に抑え込まれるというシナリオと、(2)感染が広がった場合の「ドミノ・シナリオ」が示されている。

(1)の結果は、図表1に示されている。

全世界の実質GDP成長率の2020年の見通しは、2019年11月に発表した見通しである3%から0.5ポイント低下し、2.4%になる。2021年には、緩やかに上昇して3.3%になる

中国の2020年の経済成長率は、2019年は6.1%だったが、2020年には、11月予測から0.8ポイント低い4.9%になる。日本の2020年の経済成長率は0.4ポイント、韓国は0.3ポイント低下する。

つまり、「2020年にはかなりの影響があるが、21年には長期的趨勢を取り戻す」というものだ。長期的に見た場合の中国の成長には影響しない。

ただし、(1)のシミュレーションの仮定は、「中国で感染が第1四半期にピークとなり、それ以降は徐々に収まる」というものだ。これは仮定であって、「こうなるだろう」という予測ではない。