韓国からの入国規制、安倍政権の拙速が招いた「怒りと混乱」全内幕

日韓局長級会議も中止寸前に
牧野 愛博 プロフィール

面目丸つぶれの康京和外相

康外相の怒りには、伏線があった。外相は4日、韓国国会の外交統一委員会に出席、与野党から「新型コロナで、韓国は全世界から締め出しを食らっているではないか」「外交部は何をやっているんだ」と責め立てられた。

韓国は急激な経済成長を経験した歴史がそうさせるのか、諸外国からどう見られているかについて非常に気を遣う。韓国メディアもよく、国連や研究機関の統計を持ち出し「韓国はこの分野では世界第何位」などと、必ず日本や北朝鮮の位置づけも添えた上で紹介する。

それだけに、新型コロナ問題で韓国人の入国について何らかの規制をしている国と地域が約120にも上る事態は、政治家だけではなく韓国世論全体で、看過できない問題になっていた。実際、康外相は6日、冨田大使に抗議した後、在韓の外交団に対して韓国の防疫措置について説明し、理解を求めるのに躍起になっていた。

 

4日の韓国国会でつるし上げられた末、康外相が行った答弁は、「防疫能力のない国が入国禁止という野暮な措置を取っている」というものだった。しかしその翌日、安倍首相が韓国からの入国規制に言及。韓国にとって悪いことに、オーストラリアのモリソン首相も同じ5日、韓国からの旅行者の入国を禁じる方針を明らかにした。

これを受けて韓国の保守系政治家たちは「日本や豪州のような国も韓国人の入国を規制しているじゃないか」と騒ぎ、康外相の面目は丸つぶれになった。