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韓国からの入国規制、安倍政権の拙速が招いた「怒りと混乱」全内幕

日韓局長級会議も中止寸前に

徴用工判決問題をはじめとする様々な懸案から、悪化の一途をたどってきた日韓関係。日本の竹島の日(2月22日)、韓国での3・1独立運動記念日(3月1日)も終わり、やや小康状態に入ったかと思った矢先、今度は新型コロナウイルス問題が両国の関係を大きく揺さぶった。

安倍晋三首相が3月5日午後に開かれた対策本部の会議で、「中国と韓国からの入国者に指定場所での2週間の待機などを要請する」と表明した。政府は翌6日の閣議でこうした方針を正式に決定した。

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これに対し、韓国政府は6日午後、康京和(カン・ギョンファ)外相が冨田浩司駐韓大使を呼んで抗議。さらに同日夜、日本人に対するビザ免除の制度を停止する措置を発表した。日韓それぞれの措置は9日から始まるため、日韓を往来する人々に大きな混乱を呼んだ。

果たして一連の動きの背景には何があったのか。

強引さを増す安倍首相

韓国政府が「日本が韓国からの入国制限を検討しているかもしれない」とざわめき始めたのは、5日朝だった。

韓国側は東京とソウルで、それぞれ外交チャンネルを使って、情報の真偽の確認を始めた。入国制限は重大な問題であるため、「もし噂が本当ならば、再考を求めたい」と伝えるのも忘れなかった。

 

だが、日本の外務省サイドは「まだ何も決まっていない」と答えるしかなかった。外務省はもちろん、新型コロナウイルス問題を所管する厚生労働省も、「中韓両国からの入国制限」という方針を首相官邸から伝えられたのが前日の4日だったからだ。