「明日殺されるのに…」獣医大の驚くべき実態、学生たちの苦悩

全国の獣医大を取材してわかったこと
森 映子 プロフィール

私はこれらの点について、麻布大に2月に質問したところ、村上賢獣医学部長名の文書で「代替法教材を積極活用するとともに、動物の福祉に配慮した実習を行っております。また臨床実習におけるシェルター・メディシンの導入を検討しています。動物福祉の取り組みについては、ホームページなどで公開することを準備してますので、今後はそちらでご確認ください」と返ってきた。

このような実習に疑問を抱いている学生が気持ちを吐露した。

「どの実習も殺すほど必要だった、と納得したことがない。今は優れた模型もあり、代替法や動画で十分学べると思う」
「教員に実習の必要性について尋ねたら、『必ずしも必要ではないが、まぁやっとけば』『私もよく分からない』と返ってきました」
「教員から『自分たち専門家は一般の人と考え方が違う。外で実習の話をするな』と言われました」

中には「このような授業を受け続けると、学生全員が良心の欠如した人間になってしまうのではないか」と訴える学生もいる。

 

日本の動物実験はどこへ向かうのか

実習については、獣医大学が加盟する「全国大学獣医学関係代表者協議会(JAEVE)」の稲葉睦会長(北海道大大学院教授)が17年12月に東京大で開かれたシンポジウムで、「実習での生体利用は可能な限り減らす方針で、全国の大学の共通理解だと思っており、今具体的な取り組みを進めています」と発言した。

JAEVEは「代替法検討委員会」を設置しており、私は今年1月に久和茂(東京大大学院教授)会長に委員会の進捗状況を聞いたところ、メールで「公表できる状況ではありません。教育改革には非常に多くの課題があり、少しずつ改善作業を進めているところです」などと返信があった。

私は3年前から何度もこの件でJAEVEに質問しているが、返事をもらったことがない。