地面師事件の衝撃、三菱UFJに送られた「マネロン書簡」を入手した!

多数かつ多額の小切手が、なぜ…?
藤岡 雅 プロフィール

地面師事件と三菱UFJ銀行新宿新都心支店

そもそもなぜ、積水ハウスの騒動に三菱UFJが巻き込まれているのか。まずはその経緯から説明しておこう。

積水ハウスが、東京・五反田のマンション用地取得に絡み、地面師詐欺事件に巻き込まれたのは約3年前のこと。この事件は上場企業であり、ハウスメーカーのリーディングカンパニーである同社が約55億円を騙し取られるという前代未聞の詐欺事件として大変な騒ぎとなった。

事件の現場となった五反田の土地

さらに、積水ハウスではこの事件をきっかけに前会長の和田氏と当時社長の阿部氏(現会長)との間で軋轢が生じ、その翌年、阿部氏を解任しようとした和田氏が逆に辞任に追い込まれるという「クーデター劇」に発展。その騒動はいまだ収まらず、前述したように今年2月17日に和田氏が株主提案を行う事態に発展しているのだ。

つまり、この地面師事件はいまだ全貌が解明されないまま「現在進行形」の状況。そんな渦中の取引の決済にかかわったのが三菱UFJ銀行の新宿新都心支店であったことから、ここへきて急遽クローズアップされ始めているのである。

地面師事件の経緯をさらに説明しておこう。

そもそもこの「地面師事件」は、その取引過程の不可解さが数多く指摘されている。実際、積水ハウスが事件後に立ち上げた調査対策委員会がまとめた「調査報告書」は、この取引について「通常起こりえない事であり、絶対にあってはならないことである」と明言。その執行責任者であった当時社長の阿部俊則氏について「重い責任がある」と指摘しているほどだ。

 

2月17日に和田氏が株主提案をするにあたって開いた記者会見でも、次のような声が上がった。

「そもそも所有者の本人確認もできていなかったし、本物の所有者から内容証明郵便による警告が届いているのに、取引は強行された。都合7~8回は撤退を判断するチャンスがあったのに、それをしなかった」(和田氏)
「普通なら詐欺だと気が付かないほうがおかしい」(和田氏の株主提案に賛同する弁護士の齊藤誠氏)

和田氏らはこう主張したうえで、本件は「地面師事件ではなく、不正取引である」として、積水ハウス経営陣の責任を追及しているのだ。