地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
2011年のこの日、アメリカのスペースシャトル・ディスカバリー号(Discovery)が最後のミッションを終え、ケネディ宇宙センターに無事に帰還し、退役を迎えました。
30年間に及ぶスペースシャトル打ち上げの歴史の中で、最後から3番目のミッションでした。
1984年の初打ち上げ以来、ディスカバリー号は有人輸送のほか、ハッブル宇宙望遠鏡を宇宙空間に放出するなど多くの重要なミッションを担当しました。日本人クルーとしては1998年の向井千秋を皮切りに、若田光一や野口聡一など5人が搭乗しました。
1981年に打ち上げが始まったスペースシャトル計画はもともと、オービターと呼ばれる機体を繰り返し打ち上げることができ、採算面で優れているとの触れ込みで実施されました。ディスカバリーは同計画で3機目のスペースシャトルにあたります。
しかし、チャレンジャーやコロンビアといった機体の事故により安全対策が重視されるようになると、打ち上げ1回あたりのコストがかさむようになり、採算が取れなくなっていたのです(最終的には、計135回の打ち上げで2090億ドルもの費用がかかったとされます)。
そのため2011年8月にスペースシャトル計画は終了し、ディスカバリー号は現在、ワシントンD.C.にある国立航空宇宙博物館に展示されています。