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マスク&トイレットペーパー騒動の次に待ち受ける金利上昇の大リスク

インフレの原理を目にしているワケだが

今の事態は原理原則通り

「マスク売り切れ騒動」そのものについては、3月2日の記事「新型コロナ、『マスク売り切れ」騒動だけじゃすまない『日本の大問題』」で詳しく述べたが、国産比率が20%しかなく、「有事」にはどの国も自国優先で、日本に「思いやり」で輸出などしてくれないことが根本原因だ。

その中で、自らの利権確保のため「日本国民の安心・安全・健康・生命」を犠牲にして、血税で備蓄していたマスクだけではなく防護服まで共産主義中国などに「贈呈」した、議員、官僚、役人には我々が鉄槌を下さなければならない。日本人は良識があるから過激な行動には走らないが、西部開拓時代であれば、怒った民衆に吊るし首にされかねない行為である。

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しかしながら、今回の「マスク売り切れ騒動」や「トイレット・ペーパー騒ぎ」などは、「市場原理」についてじっくり考える機会を与えてくれたことも確かである。

例えば、定価が50枚入りワンパック1000円に満たないマスクが2万円ほどで売られている事例がある。20倍であるから、局所的・短期間とはいえ2000%のインフレが生じたことになる。

もちろん、国民の健康・生命に関わる商品を転売して儲けるのはけしからんという感情は私だけではなく、多くの日本国民にあるはずだ。その点を考えれば、台湾が「マスク購入の実名制」(購入には保険証とIDが必要で、買い占めが行われないよう枚数や購入日の制限が課せられた)を導入したように、国民に平等に配分するとともに医療機関などの必要不可欠な現場には手厚く配慮すべきであろう。

しかし、マスクが市場性商品である限り、資本主義経済の下で転売によって稼ぐ人々を全面的に非難するのは難しい。政府は「国民生活緊急安定措置法」でマスクの転売を抑える方針だ。国民の気持ちは晴れるかもしれないが、市場原理に逆らう方法がどこまで効果をあらわすかは定かではない。高い金額を払っても欲しいという人々が商品を手に入れることができるというのが資本主義の根本原理である。

例えば、貿易というものも基本的には、転売による値ざや稼ぎである。米国で安く手に入る商品を日本で高く売ったり、その逆を行ったりすることによって利益を得る。

 

金融業界の裁定取引も同様だ。最近はインターネットをはじめとする通信技術の発展で、チャンスが大きく減少した。しかし、私がクレディ・リヨネ銀行でトレーダーの仕事をしていた頃は、まったく同じ金融商品の市場価格がシンガポールと東京で異なることがしばしばおこったために、両者間の裁定取引で大いに利益を得た。

転売屋は、「人の弱みに付け込む」的なとらえかたをされがちだし、その評価が正しい部分もあるが、国民の健康、生命に関わらない分野であれば、むしろ健全な経済活動であるとも言える。