清原和博、高知東生らが語る不安や恐怖…依存症界に起きた「大変化」

「花の2016年組」勢揃いの意義
田中 紀子 プロフィール

そして迎えたのが2019年度の事業である。

毎年少しずつ規模や内容をレベルアップしてきた啓発事業であり、昨年の反響を超えるものとなると「これはもう花の2016年組全員に登壇していただくしかない!」と企画会議で決まり、厚労省からもすんなり承諾を得ることができた。

実は、昨年度の事業が3月に終了したのち、この1年の間に私たちにとって大きく事態は変化し「花の2016年組誕生」となったのである。

なぜ「花の2016年組」と呼ばれるのか?

著名人の薬物事件は毎年起きているが、その全ての人たちに対して私たちも「花の」という修飾語をつけたりはしない。

当たり前だが、決して事件そのものを喜んでいるわけではないからだ。では2016年組だけになぜその言葉を私たちが贈ったかと言えば、それは「薬物の問題を受け入れ、回復過程をご自身の言葉で語ってくださった」からだ。

実は、2019年3月に高知東生さんが自助グループに繋がり、その後、清原さんも自助グループに参加するようになられた。

そしてすでに自助グループに繋がっていた元NHK関係者の杉田あきひろさんと、塚本堅一さんとも交流を持たれるようになったのである。

 

これは一般の方々には分かりにくいかもしれないが、私たちのような依存症の支援者、当事者、家族から見ると激震が走るような出来事で、ついに日本の依存症対策も欧米諸国に近づいてきたと希望を見いだしているのである。

これまで日本の芸能人の方、特に薬物問題で騒がれた方は決してそのことに触れようとしなかった。そもそも日本では依存症問題が精神論で片づけられていたため、依存症を「恥」と捉え語ることはタブー視されていた。

わずかに田代まさしさんがダルクの職員となられたほかは、昨年度に引き続き今年も啓発イベントに参加してくださったロックバンド「ZIGGY」の森重樹一さんがアルコール依存症の当事者として自助グループについて経験を語ってくださるくらいであった。