清原和博、高知東生らが語る不安や恐怖…依存症界に起きた「大変化」

「花の2016年組」勢揃いの意義
田中 紀子 プロフィール

依存症は回復可能な病気

こうした厚労省の膝を突き合わせた依存症啓発推進のお陰で、2019年3月6日の啓発イベントでついに悲願であった薬物依存症の当事者として清原和博さんの登壇が叶うこととなった。

ただし、昨年度は清原さんもまだほとんど表舞台に登場しておらず、厳戒態勢の中でご登壇いただくこととなり、舞台に上がられるのもわずか10分間、それも松本俊彦先生とのトークのみということに決まった。

マスコミにも「フラッシュは焚かない」「囲み取材なし」「質疑応答なし」など細かい注意事項をお願いしたが、テレビ局の中にはルールを破って抜け駆けしようと、会場の前で張り込むスタッフなどもいて、私たちもハラハラしっぱなしであった。

しかも、あとから分かったことだが、清原さんはなんとイベントの前日に最愛のお母様がお亡くなりになるというご不幸があったそうで、会場入りも本番ギリギリに故郷 大阪から駆けつけてくださるという慌ただしい状況、そんな中でも登壇を決意してくださったのだと、のちに報道で知った私たちは涙した。

こうして昨年度の啓発イベントは、私たちも緊張していたが、清原さんもおそらく緊張されていた中でイベントは無事終了した。

 

取材に訪れたマスコミ陣はどのように報道してくれるのか? これもまた私たちの心配事であったが、まず、イベント終了直後から、これまでの啓発事業では経験したことがないほどメディアの反響が大きかったことに驚いた。

しかも前向きに頑張られる清原さんに対し、ほとんどのメディアが好意的に取り上げてくれ、ホッと胸をなでおろした。

啓発事業は多くの方に届かなければ意味がない。スーパースター清原さんは、啓発事業でもスーパースターであることをまざまざと実感した。

昨年のメディア報道で、特に印象深いのはNHKの9時のニュースであった。

女性アナウンサーが「清原さん、今度は依存症と戦う姿で同じ依存症の悩みを持つ人を勇気づけて欲しいと思います」とコメントされると、それを受けて男性アナウンサーが「依存症と言うと意志が弱い人のようなニュアンスを感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、これ誤解ですよね。回復可能な病気です。必要なのは適切な治療と支援です」と締めくくられた。

このニュースが報道されると、およそ300名が入った私の仲間たちとのLINEグループが一斉に鳴りだし「ついにこんな時代が来た!」「ありがたくて涙が出た」「変化をヒシヒシと感じる」などのコメントが次々に入った。こうして私たちは啓発活動の前進に大きな手ごたえを感じ2018年度の事業を3月で終えた。