清原和博、高知東生らが語る不安や恐怖…依存症界に起きた「大変化」

「花の2016年組」勢揃いの意義
田中 紀子 プロフィール

初年度となった2016年度は、まだまだ予算も少なく公民館で200名程度のセミナーを開催した程度であったが、そこでひと悶着起きることとなった。

私たち――依存症の当事者・家族、そして支援者――は薬物依存症の当事者として、田代まさしさんの登壇を要望したが、厚生労働省からは「犯罪者を登壇させて良いのか?」という上層部からの問いかけがあり、却下されてしまった。

当時、私もシンポジストとして登壇しており「薬物依存症の啓発はこれで良いのか?なぜ、田代さんの登壇が難しいのか? 偏見を是正すると言いながら、これでは口だけではないか?」と壇上から問いかけさせていただいた。

が、当時はご存知の通り、違法薬物事件に対してすさまじいバッシングが吹き荒れており、私たち自身も正直押し切る自信がなかったと思う。

厚労省に「依存症対策推進室」が誕生

その後、カジノ法案が通過し、同時に「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立したことから、厚労省の依存症対策もますます強化されていき、ついに厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課に「依存症対策推進室」が誕生することとなった。

そして年々担当官僚の皆様も依存症に理解ある精鋭チームとなっていき、だんだん依存症支援者、当事者、家族の民間団体などがONE TEAMとなっていった。

 

余談となるが、アルコールと違いギャンブルは同じ基本法でも所轄官庁がIR(カジノ)法案を扱う内閣官房になっているため、当事者、家族の意見を警戒しているのか距離があり意見が届かない。

逆にギャンブル産業側と内閣官房は近い距離にあるためか、ギャンブル産業側には痛くも痒くもない甘い対策が打ち出されている。

現在「ギャンブル等依存症対策基本法」はアルコールとは全く違い、関係者会議もおざなりで、当事者、家族の全国組織の民間団体に対するヒアリングすら避けられている状況であり、厚労省の依存症対策室の頑張りがなければ、我々に対する対策は殆ど何も行われていないに等しい。

内閣官房も人事が変わり今後に期待したいところだが、私たちギャンブル依存症の当事者、家族は厚労省の依存症対策室のアットホームな近い距離感に救われている。