監督賞を受賞した女性は史上一人だけ

――つまり、ハリウッドの男女格差は縮んでいると?

エイミー:ソニー・ピクチャーズの共同会長だったときに、私もアカデミー会員の理事を務めていましたが、そのときのアカデミーには今ほど性別や人種のダイバーシティがありませんでした。現アカデミーの最高経営責任者であるドーン・ハドソンは女性の俳優・監督ですし、彼女はダイバーシティを推進することを含め、本当に素晴らしい仕事をしています。

ドーン・ハドソン(右)。隣は、映画芸術科学アカデミー会長のデヴィッド・ルービン〔PHOTO〕Getty Images
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――それでも未だに、アカデミー賞の監督賞を受賞した女性は、『ハート・ロッカー』のキャサリン・ビグロー監督しかいませんよね。

エイミー:ハリウッドは確実に変化はしています。ただ、そのスピードが私たち女性が期待するよりも遅すぎる。とはいえ、2019年は女性監督による凄い映画がたくさん公開されました。ルル・ワン監督の『フェアウェル』、ローリーン・スカファリア監督の『ハスラーズ』、2019年のカンヌ映画祭で脚本賞を受賞したセリーヌ・シアマ監督の『Portrait of a Lady on Fire(英題)』、メリーナ・マツーカス監督の『Queen & Slim(原題)』などは本当に素晴らしいですよ!

――確かに、2019年に公開された全米トップ100本の映画(興行収入)に占める女性の監督の割合は10%と、2018年の4.5%から飛躍的に伸びましたね。

エイミー:男女平等に向けて闘ってきた女性たちのこれまでの長い歴史の結果だと思いますが、やはり、#MeTooが非常に重要なターニングポイントでした。#MeTooをきっかけに多くの人たちが「正しい方向に進みたい」と思うようになったんです。ハリウッドの女性たちはこれまでよりもはるかに多くの機会に恵まれるようになり、映画のジャンルにかかわらず、男性監督と同じように映画作りをしています。この変化は起こるべくして起こったものであり、これからもハリウッドは変わっていくでしょう。